バンクシーとは?

Banksy(バンクシー)ブリストル, UK出身のストリートアーティストであり、彼の詳細なプロフィールや正体は明かされておりません。壁にスプレーで絵を描くというゲリラ的なスタイルで作品を残し、社会風刺や政治的メッセージが込められているのが特徴です。

反資本主義や反権力、反戦など、ともすれば深刻になりがちな問題が、ユーモアを介して描かれており、2018年、ロンドン・サザビーズのオークション中にバンクシーによって額縁にしかけられた機械によって作品がズタズタに切り裂かれた事件は記憶に新しく、日本でも一躍有名になりました。

【風船と少女 / Girl with Balloon】

「愛」を表現したハート型の風船を掴み取ろうとしている少女。

幼い頃には持っていたはずの純粋な心をもう一度、取り戻そうとしているのか、大切にしていたものが手から離れて行ってしまったのか、希望を掴みに行ってるのか、見方によって様々な捉え方ができる、バンクシーの代表的な作品です。

この作品は2002年、ロンドン市内に初出したのち、世界の各地にデザインを変えて描かれています。

写真は2004年、テムズ川付近に描かれた作品です。

【花束を投げる少年 / Flower bomb】

この作品は「風船と少女」と並びバンクシーを代表する作品で、通称「Flower Thrower」「Love Is In The Air」とも呼ばれています。

2003年にパレスチナのガソリンスタンドの壁に描かれ、今まさに圧倒的な勢力に対抗する少年が投げようとしているものは火炎瓶ではなく花束であり、戦争や暴力に対するバンクシーの反戦・平和的なメッセージが込められています。

【ラフナウ / Laugh Now】

猿がメッセージの書いたボードを身に付けています。

ボードにはLaugh Now, but one day We’ll be in Charge」(いまは笑うがいいさ。でもいつかは俺たちがやってやる)と書かれていますこの作品はバンクシーが無名の時に描いたものだといわれ、社会的地位の低い若者の気持ちを表現しているとされています。

2002年イギリス南部の港町「ブライトン」のナイトクラブにコミッション作品として依頼され作られた作品とされています。

【ゲームチェンジャー / Game Changer】

子どもが横のゴミ箱にスーパーヒーローの人形を投げ捨て、マントを羽織ったナース姿の人形と遊んでいる。

新型コロナウイルスのパンデミックに見舞われた世界を救う為、最前線で戦う医療従事者の献身や努力に捧げた感謝の気持ちを描いた作品です。

この作品は、2020年5月、イギリス南部の街にあるサウサンプトン総合病院へ寄付されたのち、オークションに出品され、日本円にして約25億円で落札、収益は国の保健サービスに寄付されました。

また、バンクシーは病院で働く人たちに「お疲れ様でした。これで少しでも明るくなるといいな。白でも黒でも」とメモを残しています。

【落ちるまで買う / Shop til You Drop】

2011年、ロンドンの高級ショッピング街のビルに描かれた作品です。

買っても買っても満足できず、借金を背負った転落の人生を描いているのか。

消費の裏で大量生産と大量廃棄の沼に落ちていくところを描いているのか。

富は弱者から搾取して成り立っている、資本主義の終焉を描いているのか。

もっともっとと望めば望むほど落ちていく。

そんなメッセージが込められている作品です。

【パルプフィクション / Pulp Fiction】

2002年から2007年までロンドンのオールド・ストリート駅近郊の壁に存在していた作品。

クエンティン・タランティーノ監督の有名な映画「パルプ・フィクション(Pulp Fiction)」の主演2人を描いており、本来ならば、銃が構えられているが、バナナに置き換わっている。

反暴力や反戦争を訴えているのだろうか。

【ピースソルジャー / Pulp Fiction】

2003年にイラク戦争が始まり、10年間、イギリス軍のイラク侵攻に対する座り込みの反戦運動を続けていたブライアン・ホウへバンクシーが送ったキャンバスを元に制作された作品です。

兵器が描いているマークは、1957年にイギリスで設立されたCND(核軍縮運動)のマークで、イギリスの平和運動の最前線に存在し通称ピースマークとも呼ばれています。ピースマークはアメリカのヒッピー運動やベトナム反戦運動でも平和のシンボルとして使われ、世界的にも平和・反戦のシンボルとなりました。

【クラッシュ / Crush】

マンハッタンにあるストリップ劇場のシャッターに描かれていたストリートアート。

うつむき気味な男性が持つ花束からは花びらが散り、哀愁漂う様子が描かれています。失恋や孤独といった言葉を連想させる、情緒的な作品です。

その他バンクシーアート